昔の福袋は在庫一掃セールの意味合いが強かった。売れない商品を詰めて売っても、客の方は「福袋だから」と大目に見てくれた。中身がどうのこうのよりも、福袋を買うこと自体が楽しかった。

 ところがこの不景気、客にも余裕がなくなり、福袋に対する要求は厳しくなった。毒蝮さんのようにばぁさんを相手にしている京王百貨店は売上げを伸ばしているが、ほとんどのデパートは旧態依然のママで、普段の売上げが伸びないから、新春の縁起物であった福袋がキラーコンテンツになってしまった。

 しかも、インターネットの発達で、福袋発売とほぼ同時に2チャンネルなどで、「どこの福袋はああだこうだ」と、一斉に評価されるようになった。今までは買った客しか分からなかったことが、一瞬にして広まってしまう恐ろしい世に中になってしまった。

 このインターネットの事情を福袋担当者が理解しているとの仮定の話になるが、前年、評判の悪かったデパートの福袋を狙うという方法を提案してみたい。2年連続して福袋の評判が悪かったら、それこそイメージはガタ落ちである。普通の福袋担当者ならば、前年の失敗を取り返そうと力が入るはずである。結果が出なければ、憧れの本社の企画部門からとばされるのは間違いないからだ。

 2年連続して評判を落とすような商品しか提供できないようであるならば、そのデパートは危ないと考えて良いかもしれない。福袋担当者に能力がない上、しかも、そのような者を担当につける人事力のなさ、評判が悪かったというマイナスの情報が上にまで伝わっていな伝達系統のお粗末さが考えられるからだ。


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