「ここだけの話なんだけど」と言ってうちあけ話や悩みごとなどを話してくる人は、相手と親しくなりたい、もっと関わりたいと思っている場合が多い。
付き合いの浅い人からいきなり「ここだけの話……」と言われたら戸惑ってしまうが、ある程度の親交がある人から「ここだけの話」をされると、自分を信頼してくれたんだと感じて嬉しくなるものだ。
そして、その嬉しさから自然と心を開き「実は、わたしも……」と同じように身の上話をしてしまうことがある。
これは心理学では「自己開示の返報性」といわれる現象で、自分の情報を相手に伝えることにより相手が自らの情報を開示するように促すというものだ。
だから「ここだけの話」と相談してくる人は、相手と親しくなりたいが為にこの自己開示の返報性を無意識に利用して、自分から大事な話を持ち出すというわけなのだ。
もちろん純粋に親しくなりたいと思っているケースばかりではない。相手の情報を都合よく聞き出すために「ここだけの話」をしてくる場合もあるので、自分のことを話し出す前に冷静にその人の意図を判断した方がいいだろう。